2011年9月26日月曜日

自転車は、かくも愉しき乗り物である!?

 自転車業界(輪界)にとって、何かと忙しい時期となった。既に御存知の方も多くいらっしゃるとは思いますが、自転車、特にスポーツ自転車と呼ばれているタイプの自転車メーカーってのは、その拠点は殆どが海外メーカーであってね、ま、欧米のそれに習って、年度替わりってぇか、グラデュエートってぇかがね、9月なんだよね。だから面白い事に、9月は新型発表会のラッシュとなり、これまた日本の自転車ショップの休日が水曜日に集中している為、毎週水曜日は様々なメーカーの新型車発表展示会が連なる。さらには、自転車のメーカーばかりでは無く、部品用品メーカーの問屋さん達も、挙って展示会を行うのである。









さて、なぜ毎年、輪界では2012年モデル~と云った様に、イヤーモデルが毎年発表されるのであろうか?なんて事が、あまり自転車に近しい方々で無ければ、至極当然の理屈として考えられると思う。最たる理由は、毎年行われる自転車のレースでは、スポンサー名とそのカラーリングを施したモデルが出るが、そのスポンサーが変更されてしまったり、部品や、フレームの技術革新や刷新等々…。様々な事が複合するとは思うが、サイズ、色、グレードなど、有る程度乗り手にフィットさせて行かなければならない為、単一車種を大量にストックする事が出来ないんだね。下手をすると大量の不良在庫となりかねないからね。









そもそも自転車のフレームってのはね、ハンドメイドで作るのが基本だから、機械に頼って、大量生産に向いていないんだね。高価なフレームなんかは特にそうである。薄いアルミに火を入れ、溶接なんて、直ぐに穴が開いてしまったり、溶かしてしまったりね、難しいのだそうである。だから職人によるハンドメイド。



ジドウシャってのは、メーカーや車種の違いこそあれ、基本的には単一的車種である。後は圧倒的にユーザー層が多岐に渡り、大多数なのであるよ。ママチャリってのは、単一車種だろ?色の違いとか、メーカーの相違を除けば、サイズで単一なんだ。「お客さん、ご身長があるので27サイズでどうですか?」なんてね。





今日び、自転車、特にロードレーサー系自転車がブームとあって、ロード系メーカーは元気が良いって寸法だが、いよいよマウンテンバイクも巻き返しの予兆がひしひしと感じられるのだよ。メーカーの自転車が売れ行き好調であるとね、より素敵で、魅力的な自転車が、安価になって登場するんだね。部品もカラードパーツが増え、煌びやかになるんだね。実に解り易いぞ。



さて、そんな中、問屋さんも在庫一掃のセールをするのもこの時期なのだが、残念ながら最近では、あまり在庫が残らず、完売してしまい、品薄状態なのだとか…。個人的には残念ではあるのだが、ま、業界が元気であるという証拠であろうし、由とせねばなるまいよ。



さて、それでも昨年は某メーカーさんのナイスなフレームが超特価になったりして、それを買ってストックしておいたんだが、部品のお金が貯まったので、コツコツと作り始めた。今日び珍しい、クロモリフレームのクロカン車である。色が黒しか無かったのが玉にキズだが(ノルコも黒だから…)、ま、流行りのカラーパーツを駆使してお洒落にね。最近ではリアのギア段数は、マウンテンバイクもいよいよ10段化の波が押し寄せ、んだばそいつを組み込んで…。まだまだ途中なのであるが、組み立ての愉しみってのと、フレーム組で自転車作ると、同じ仕様はまず無いって所がイイでしょ?



常々思う事なんだが、基本、自転車と云う乗り物は、自由度が信条でさ、有る程度乗り手の意向ってのを可能な限り、具現化し得る乗り物なんであるけれど、この理論には必ず安全に対する自己責任ってのが付きまとうんだ。安全ってのをおざなりには出来ない部分なんだけどね、どうしても日本の自転車文化ってのが、大方、歪んだ方向に発展せざるを得なかったんで、この安全に対する危機感が希薄なのだ。自転車で死んでしまうヤツはよっぽどなヤツだ位に思われている。



大きな間違いなのだ。オランダ・ドイツを始めとする、欧州ヨーロッパ自転車先進諸国に於いて、自転車の安全や、自転車乗車時の危機管理に際しては、補助輪が外れた幼児から、きちんと車道を走らされ、交通ルールの順守を叩きこまれる。徹底しているのだ。幼児に車道が危険だと思った御仁も居られるだろう。だが、幼児を含め、自転車すら安全に走る事の出来ない交通環境とは?歩道が安全?主要先進国中、自転車の係わる交通事故がダントツナンバーワン、それが世界唯一、自転車が歩道を走るという暴挙が許されている日本であるのだよ。最悪のナンバーワンである。



話がだいぶ逸れて仕舞ったが、自転車に乗るユーザーの意識が高尚であってこそ、その先に自転車を利用する自由度が増すと云ってもイイだろうね。自転車の幼児同乗などが最たる例で、昨日までやってた事が今日になってダメって???安全の為だからって云ったってねぇ。メイド・イン・ジャパンのママチャリが消え去り、日本工業規格が有限無実化し、ネット販売が横行し、販売者も自転車に対する危機意識なぞ皆無でね、大手自転車メーカーもネット販売に対して規制を掛けられない、大人の事情が数多あるのだ。





で、だよ。本当に良いモノを選択して行くなんてぇ事をさ、これが骨格であるフレーム、骨格のくせにこいつが一番重要且つ、目立っているんだが、そいつを選び、それぞれの部品を選択し、組み付け、調整して、自転車にして行く。車輪も組み立てる事が出来るってぇ、まるで模型の様だが、実際に乗れちゃう、なんて、こんな自由自在な乗り物、他に無いよね。



そんな自由度もね、簡単に思い通りに行かないのもまた道理であってさ、毎日毎日々々…僕等は鉄板のぉ~♪とはならないねぇ。3歩進んで2歩下がる~♪かな?ま、一歩でも進んでいるのでヨシとすっか。



スポーツ自転車は、「完成車」なぁんてスタイルが定着してからもうしばらく経つんだけどね、以前はママチャリですら、ホイールを組み立てて完成車にして販売していたって云うから驚きでしょ?以前はスポーツ車も乗り手のイメージを最大限膨らませてね、完成形を想い描いたんだな。それを自転車屋が具現化すると。



自転車販売店ってのは、本当に手間暇が掛かるが、薄利な商売なのである。この不文律を何とかしなければ、自転車業界の明日は無いと思うんだ。



子供乗せタイプの自転車も同じでね、メーカーのお仕着せや、法律の枠にとらわれ過ぎていてね、本当に自由な発想が出来なくなっていると思うんだ。イイじゃないか、ビーチクルーザーに子供乗せを付けたって。





自転車に乗って、何だか生活の一部が、チョッと愉しくなった。なんて事のお手伝いをするのが、私の仕事なんですな。きっと。豊かな生活ってのは、贅沢で、煌びやかな物品や金品に囲まれている事が豊かなぞでは無くね、充実した心があるライフスタイルをどれだけ送れるかって事が大切なんだと思うぞ。









牛歩であるが、KONAのマウンテンがそろりそろり、完成しつつあるのだ。





嗚呼、豊かなる心。





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2011年9月2日金曜日

電動アシスト自転車の実力ってヤツ。


私は自転車家である。ま、自転車の修理や販売を生業としている訳であるが、この自転車稼業(自転車操業では無い)ってヤツは、結構な自転車愛好家で無ければ務まらない側面を持っている。市販されている自転車なぞ、殆どと云って良い程、出来損ないの部分が色濃く残されている。どうしても趣味性の高いモノゆめ個人的センスやカラー的な所が、活かせるように、メーカーは敢えてハズシを作っているんだと考えている。単純にコストダウンの部分って云っちゃえば、身も蓋も無く、夢が無いんである。





さて、そうは云ってもね、幾ら自分が自転車に入れ込んで、様々な人々に自転車の有用性を訴えたり、薦めたりしているんだが、そんな私の家族もさぞや、と云った風に見受けられる様なんだが、どっこい、ウチの女房子供は、自転車にさほど興味を持っていない。女房殿に至っては、自転車で近くのスーパーに行く位で、不機嫌になってしまう程、自転車が好きでは無い。



何故、それ程キライなのか聞いてみたんだが、答えは単純であった。彼女は何しろ夏が嫌いで、暑いのが嫌いなんである。で、自転車を漕ぐと、必然的に暑くなって汗をかくと。それが嫌なのだと云う。ママチャリの3段変速が、何番に入っていようと、変速をしようとはせず、重いギアに入っていると「重い!」と文句を云われる始末。何しろ強敵なのである。



そんな奥さんであるが、私の理想は、夏休みとかに観光地などに赴き、やおら自転車を取り出してサイクリング、なんて、考えただけで愉しそうじゃあ、あ~りませんか。本当は電車の旅も好きなので、家族揃って輪行なんてのが理想なんであるが、自転車を各々が持ってくれる様な家族では無いので、そうなると自転車3台を担げる背負子でも作らないとならなくなるから、ジドウシャで移動する訳である。子供もすくすくと成長し、中一のくせに、いつの間に165cm位身長がある。なので、大人用の折り畳み自転車Bd-1が余裕で乗れるので、私と息子はBd-1で決定。で、同じ折り畳みの女房用・・・電動アシストって手が有るな。お?パナソニックの電動アシスト折り畳み小径自転車「オフタイム」、電動アシスト付き自転車で、重量が19.8kg(あはは、スポーツ自転車としては絶望的な数値だが、一般車アシストカテゴリーの中では、笑っちゃうが、驚異的な軽さなのである)、更に外装7段変速機付きである。これをゲットし、普段から乗れる様にセッティング。最初は訝しんでいた女房殿は、その圧倒的なラクチンさに、ご満悦で、普段乗っていた婦人車には一切乗らなくなった。それどころか、子供の学校や、イベント事で千葉駅付近に出掛けるのも、割と自転車で出掛ける様になった。これは画期的な出来事なんである。



当然、電動アシストだから、電池を充電しなくてはならない。タイヤの空気の充填や、整備等々、そんなのは私の真骨頂であるから、彼女は乗るだけなんである。ま、愚息も以下同文ではあるが…。専属メカニックは結構忙しいのだ。



女房殿が、率先して自転車で移動する様になったので、これは俄然、以前から膨らましていた夢が実現する可能性が出て来たのである。そう。リゾート地でのサイクリングである。リゾート地と称される場所ってのは、大概、山の中だったり、高原だったりと、坂道が付きものなんであるよ。今年は色々と考えた挙句、毎年恒例の海への旅行は取りやめ、山あいの温泉宿って事になり、いくつかの候補を出し、ま、日程上、1泊の旅行であるので、日本の三大名湯にもなっている下呂温泉に行く事にした。



ジドウシャで千葉から450km位有るので、運転は何とも無いんだが、如何せん、1泊の予定なので時間が無い。色々考えた末、予定の前日の、子供の用事が終わったら、その足で近くまでアプローチして、初日を有効に使おうという事になった。8月の日曜日、そそくさと自転車を3台、義父所有のジドウシャに詰め込み、そそくさと出掛ける。千葉は大雨だ。



現地では晴れる事を祈り、超楽観的に出掛ける。中津川に泊まろうと思ったが、親子3人ってのがネックで、事前に予約が取れなかった為、手前の飯田市のビジネスホテルを予約しといた。レイトチェックインが出来、和室があって親子3人で泊まれるからである。本当は、諏訪湖のSAで、温泉でも浸かって、車中泊でもしようか、なんてぇ楽観的なテンションだったのだが、女房殿に猛烈に却下され、取った宿だが、古いし、汚いし、早くも女房子供はブーイング。でも、ビジネスホテの玄関前に、ジドウシャを番長止めし、あまり広い玄関でも無いのに、止めさせてくれたりと、流石は田舎っぽい風情であったのだ。飯田市の繁華街は、独特の雰囲気を醸し出していて、とても怪しげであったのが印象的であったのだ。無論、出掛けてはいない。外は未だに大雨。



あくる日、雨は続いていた。朝食を戴き、下呂温泉に向け出発。前日出発の御蔭で早めに下呂温泉に到着。お?雨は小康状態。早速市内を観光し、下呂の合掌造りの博物館等に行く。









お?太陽が出た。今までの雨が嘘の様だ。ひとしきり街を探索し、一旦宿へ。「しょうげつ」というちょっとイイ宿を予約しておいたのだが、下呂の山肌に貼り付いているかの様な場所で、凄い上り坂。ジドウシャもローギアでウンウンと登る様な急坂なんである。で、そそくさとチェックインし、しばし休憩の後、いよいよ自転車で街を散策しようと強引に提案する。坂道が凄過ぎて、帰って来れないなんて不平不満をよそに、電動アシストだから余裕だ!なんて切り返し、何とか連れだす事に成功。・・・実はこの時、流石の電動アシスト自転車でも、この坂は登れないんでは無いか?と直感した。何しろそれ位の急坂である。部屋に案内してくれた宿の人も、「ええ?自転車ですか?急な坂で、以前来られたお客さんが3人、坂道で自転車のチェンを切ってしまってますから、ご無理をなさらない様に。」なんて言われちゃった。



街中の自転車、すこぶる快適である。アップダウンもなんのその。愉しい。温泉博物館なんかにも行き、下呂の街を満喫したのだった。その間、信じられない事に、晴れていた。でも、この時はもう雨は降らないだろうとさえ思っていられる程、青空たったんだ。



さていよいよ宿に戻ろうと、自転車を走らせたんだ。いよいよ坂道。お?凄ぇ激坂!フロント60Tもあるギア歯で、しかもリアロード用と来ちゃあね、登る訳ゃあ無いやね。女房の電動アシスト自転車のギアはトップに入りっ放しで、「重い」って文句を云っているが、・・・この激坂を進んで来た。「親指でギアを変えて!」って指示するとね、流石に女房殿も変速した。此処からが電動アシスト自転車の真骨頂でね、なんと、ローギアに達していないのに、女房殿はその坂をスイスイと登り始めた。おお!恐るべし電動アシスト力。子供は坂の入口から自転車を押している。で、頑張って上まで登り、女房殿に電動アシスト自転車を拝借し、子供を迎えに行く。 その電動アシスト自転車を子供に乗せると、「ウッヒョ~、何コレ?楽ちーん!」と言い残し、残りの激坂をスイスイと登って行くではないか。想像してみて欲しいんだが、押して歩くのも困難な坂で、自転車を新たに漕ぎだす事の難しさってのは、本当に想像に難しく無い程、難しい事なんだよね。ああ、回りくどい言い回しになっちまったが、兎に角、坂道の漕ぎだしは不可能に近い程、難しい。それを難無くこなす電動アシスト自転車。





自転車家になって、現場で初めて、電動アシスト自転車の真骨頂を見た。



因みに、マウンテンバイクだったら、何とか登れたと、私は思う。…と、負け惜しみを云ってみる。



その位、強烈な上り坂だったのだよ。私はその電動アシスト自転車プラス外装7段変速の実力を目の当たりにし、すこぶる満足なのであったのだった。



ともあれ、夕方に宿に戻って、風呂に入って食事して…なんてやっていたら、知らず明鏡のうちに外は雨。いやいや、雨なんてぇ生易しいモンではない程の大雨が大量に降っていたんだ。本当にバケツをひっくり返したって形容がぴったりな程だったよ。下呂温泉中心を流れる飛騨川の水位も、みるみる増えて行くのが解ったんだ。この雨は翌日の日中まで続き、早々に千葉へ向け帰路に着こうとジドウシャを走らせ、下呂駅前のアンダーパスを覗くと、あらビックリ!昨日通れたアンダーパスが天井まで冠水しちゃってる。あちこちで土砂崩れと、冠水と、通行止めでね、何だか大騒ぎのどさくさの中、帰って来たって訳である。



ジドウシャで往復約900km。何やら忙しい遠出となったが、千葉に帰った翌日は女房と子供が熱を上げている、アクアタイムズってバンドのコンサートが武道館であってね、それに出掛け大騒ぎ、次の日は義弟の店で夏の打ち上げって家族会を開いた。何だか忙しかったが、充実した夏休みであったのだ。



…何だか今回は、夏休みの作文みたいで恐縮である。





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