2013年3月13日水曜日

将来への指針とか、絶対音感とか(後編)



 過日、子供が習っているピアノの話でね、現在ウチにあるのは電子ピアノという、
電気で音をコントロールするタイプのモノである。
我々にはピアノの音にしか聞こえない。
スイッチを入れないと音がならないのと、高さが無いから電子なんだと解る程度だ。

 最近、息子とピアノの先生が口を揃え、本物のピアノ購入の検討をして欲しいと
云い放つのだ。ふむ。君はピアニストにでもなるつもりなのか?と聞いてみた所、
そのつもりは無いが、電子ピアノのタッチに限界があるのだとの事。
サッパリ解らん顔をしていると、息子曰く、
「お父さん、自転車と同じだよ。いくら強い選手でも、ロードレースの練習や試合を
 ママチャリでやる人はいないでしょ?」

むむぅ。成る程云い得て妙である。結構な出費だぞこりゃあ・・・。

 てな訳で、年一回東京で開催されるピアノの展示即売会ってのに初めて行ってみた。
凄い人だ。こんなにピアニストっているのか!ってな盛況っぷりである。
ヤマハとかカワイのアップライトピアノなんか、十万円程度のモノもあるんだ。
そして新品ばかりでなく中古品もあり、その中古品が必ずしも 安いとは限らないのだ。

 現行品では生産する事が出来ない云々・・・とか、妙な能書きがソコ此処に書いてあり。
我々素人は、そんな能書きを読んで、適当な鍵盤をボコボコーンなんて
叩いてみるだけで、まるで暇である。たまに珍しい海外製品とか
(猫足スタイルの調度品みたいなヤツだ)を
見つけると、やおら息子を呼び付け、

「おい、これはどうなんだ?」

なんて引っ張って来るとね、
息子はすこぶる迷惑そうにチョロンと弾いて

「あ、駄目だねこりゃあ」
なんて言って、ぷいっとよそへ行ってしまう。

「何でだ?調度品みたいな脚だぜコレ、猫の脚みたいでカッチョイーじゃん。」

「お父さん、ピアノは脚が音を出すんじゃないんだよ。
 ましてや置物じゃああるまいし。」

なんて諭される。その昔家にはオブジェと化したピアノがあったのだが、
ただの置物だったので、ウチの父親が知り合いに呉れて来ちゃったから、
ピアノは置きモノであるというイメージが強い。

 会場に100台はあろうかというピアノを彼らはピコピコ打ち鳴らし、
おおかたの所、3台のピアノに絞られたのだ。いずれも1台限りの中古品である・・・が、
なみいるそこいらの新品スソモノピアノが数台買えそうな価格・・・ヒョエー。

お父さんは薄給なのであるぞ、息子よ。

 聞くとどうやら理想としてはグランドピアノがベストなんだと先生と口を揃えるが、
借家住まいで何がグランドだって話でね、それは女房が全力で却下。
で、その残った3台、最後にはハナっから消音機能が付いているタイプの
オールドピアノに落ち付いた。どうもその一台が一番グランドピアノの音に
近かったそうである。

 そんな話をしているうち、ふと大学時代の先輩が辻堂で経営する自動車屋を
思い浮かべて可笑しくなった。こだわりや音色など、その特徴を最大限生かすのに、
新品も中古も無いんだ。

 楽器もジドウシャも自転車も、どんなモノでも、愛情をこめて
維持したり管理したりすればする程、時代を超越して
理想のスタイルに近づけるのかも知れないね。


そんな訳で、お父さんは一生懸命金策中ナウ。とほほのほ。



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2013年3月4日月曜日

将来への指針とか、絶対音感とか(前篇)



親を務めるとは、誠に大変な所作であるね。
現代社会はね、勤めていれば偉くなる、とか、所謂年功序列で一億総中流意識的発想などは
とっくの昔に崩壊し、明日も解らない様な危うい生活を強いられていて・・・
なんてね、先行き不安な要素は満点だが、決して贅沢では無いが、細々と生きる時なら出来るね。

ま、ジタバタしたってどうにもなりませんからね。今出来る事をコツコツと行うとさ、
たまには面白ぇ事だって起きると云うモノさ。

 先般、珍しいモノをネットで発見したので、少し追いかけて見たんだ。
タカラ(現タカラトミー)が発売している「チョロQ」という、ジドウシャをデフォルメして再現し、
プルバック方式で自走し、且つ車体後部に10円玉を差しこむと、ホイールリフト(ウイリー)しながら
走行が可能で、1980年頃に正式に販売されたんだそうだ。
そう考えると息が長い、長寿玩具であるよね。

 そんなチョロQ的デフォルメを施した自転車が、ヤフオク検索でたまたまヒットし、
しかもかなりの安値で、一応落札に参加して見たが、同時にその自転車をもう少し
検索して見たんだ。すると、一部のネット販売の業者が頻繁にヒットするのみで、他はどうやら
完売、とか、削除されたりとかしていて、謎めいている。
どうやら2003年頃の企画のモノの様で、新車が流通している事は先ず無い筈なんであるが、
現代的通販業界事情の妙で、どうやら「流通在庫」ってモンが存在するらしい。
ま、売れると思って資本力にモノを言わせて大量に買い込んだが、割と不良在庫になっちまった
って体の話だろうね。おそらく。

 こう云った出自の面白そうな自転車は、何としても手に入れて見ないと、
詳細が解らないからね、俄然頑張って見たのだよ。ヤフオクは安値で落札されたが、
ネットでも新車価格の半値で売っているのだから、仮にヤフオクで落札して、送料払うと
大した差異が無く、程度も不明なので、高値更新された時点で降りる事にした。

 で、某ア○ゾン系列のネットで、送料も無料と来た。
届いた自転車は、完全組み立て配送と謳っていた通り、小さい自転車におよそ似つかわしくない
巨大な箱で届いた。少し笑ってしまった。

 箱から出すと、なるほど組み立ててはある。…が、一目で直ぐには乗れないと悟る。
何しろ怪しげな蝶番とクイックがハンドル周りに沢山付いていて、如何にも怪しげな
光を放っている。長年の流通在庫だけあって、フレームには小傷が沢山あって、
タッチペン処理があちこちに施されている。これには苦笑いだ。

 とりあえずバラシて見た。前後ハブのハブナットがダメダメで、日本製のママチャリ用に
交換する。片側なんか最初っからナットが半ナメ状態で、外すのにも一苦労。
幸い、ハブ軸のネジ山は正常だったので、ひと安心である。

 折り畳み式のハンドルポストに、アヘッド型ステムを付けたかったらしく、タダの棒に
ファングルナットを打ち込んだ棒がクイックで(!)止めてある。
・・・ヒュウ。チャレンジャーだなぁ。このファングルナットもダメダメで、一旦取り外し、
正常なスターファングルナットを打ち込み、同時にクイック止めの部分を
ボルトナットで絞め込んだ。クイックを絞めつけて試走した所、いとも簡単に
ハンドルが明後日の方向を向いてしまい、死ぬかと思ったからである()

 ・・・と、この様に沢山のモディファイを施し、やっと満足に乗れそうになったんだが、
どうにも心もとない走りであるが、そこがまたたまらなく愉しげな自転車なのだ。
見た目が異常にキュートだ。それだけで存在価値は充分だ。が、である。
これを一般の素人さん、しかも自転車に対しての知識の無い人に売るのは
どうかと思うよ。購買側も相当な知識と覚悟を以てすれば、愉しめるが・・・
ネット販売の自転車の大いなる問題であるよね。
販売方法や安全性の維持に限界があるので、売買成立後は購買者責任という、
何とも乱暴な手法である。
ネット販売の自転車の安全神話は購買側の勝手な思い込みであり
殆どの人はどこがどう駄目であるのかも見分けが付かないのだと思う。
言ってみりゃあ、海でフグらしきものを釣り上げ、それを何の知識も無い人間が
捌いて食っちゃう位危ない事だねぇ。

因みにその自転車について来た保証書でメーカーが判明したので、
その自転車についていくつか質問をしてみた所、金輪際この手の自転車を
企画製作する予定は無いと云う。

あの応対から察するに、販売後よほどご苦労をなさったのだろうと
容易に推察が出来た。

それらから総合的に鑑みても、以前BIANCHIでリリースしていた「ノビータ」の
出来の良さは特筆モノだったと云えよう。

 ま、見た目と、チョッとした移動にはすこぶる便利そうなので、
ジドウシャに積載しておくといった使い方が適しているのかもね。
サーキットのパドック移動用とか、都市部の駐車場からの移動とかね。

 また前置きが長引いたなぁ。
まぁいい。
やっと親の務めって話である。

・・・長いから以下次号()

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