今回はチョイとシュールで辛辣な内容となってしまうかもしれないんだが、ま、正しくない事であると、腹に据え兼ねているので、書くことにした。
私の生業は、街の自転車屋さんである。職業柄、多くの自転車を取り扱っている。自転車と云うのは、道路交通法上「軽車両」というカテゴリーに属しており、レッキとしたクルマのお仲間なんであるよ。一応、自転車を取り扱うにあたり、「自転車安全整備士」「自転車技士」という資格があり、近年、スポーツ自転車を取り扱う人員に対し「スポーツBAA認定技術者」なんてぇ制度も出来た程である。
業界に携わって思ったんだが、結構輪界(自転車業界)ってのは、保守的でもって、昔堅気な体質を持った業界なんである。
が!である。しかし!である。こと安全性やら、販売業態については、非常にユルイ。何しろ、自転車の知識なぞ、一切無い人間が!自転車を!いつでもどこでもだれとでも!販売する事が可能で!売りっ放しで修理など一切しなくても!構わない!という出鱈目が横行しているんだ。
もうね、買う側も、自転車の見分けが色以外付かないから、3万円の自転車と1万円の自転車の違いすら解らないって云うか、興味すら無い。「どうせ盗まれちゃうんだから」って高いモノはハナっから買わないと云う。盗難防止対策など、一切考えないんだ。盗まれるの大前提。ありとあらゆる持ち物で、盗難を前提に購入される品物が一体、どこに存在するのだろうか?まことに不可思議な事実なんであるよ。
でも、これが歪んだ日本のガラパゴス的発想に基づくママチャリ自転車の認識であり、意識なんである。ユーザーがこれだから、いよいよふざけた商売が横行するんであるよ。
もともと自転車は、盗まれる前提で買うから、安モンの買った瞬間に錆びてしまう様なモノを喜んで買うから、すぐにボロくなるよね。当然空気も入れず、油も注さず、清掃すらしないで雨ざらしである。体よく盗まれなかったとしても、いらなくなると(使えなくなると、及び修繕、整備が必要になると)、修理代が高くつくという理由で、駅周辺や学校校内に放置し、誰かが処分してくれるのを待つ。明らかに不法投棄なんである。毎年、市町村単位で、多くの税金が投入され、廃棄されて行くのだ。
そこに、自転車になんぞ絶対に乗らないであろう、トンチキな輩が、捨てられるゴミ自転車に目を付け、あろう事か、「これはもったいない」などとタダで貰い受け、ほぼ捨ててある状態で(車体を拭く程度はするだろうが)、フランチャイズ化し、整備も自転車も素人に卸し、売ったり、貸したりしている。
タイヤも使い古しの中国製だから、ズタボロの雑巾みたいなタイヤってのも、ブレーキシューも完全に磨り減っているし、ブレーキのアウターワイヤーは紫外線や酸性雨に晒され、ボロボロの状態。そんな自転車に騙されて(?)乗らされている学生さんが日々諦めの表情で修理にやって来る。不思議な事なんだが、1万円位で購入した自転車が、タイヤが磨り減ってしまい、前後のタイヤ交換が必要となると、半数の人が買い替えを検討する。1万円で購入した自転車でも、3万円で購入した自転車でも、タイヤの交換は前後で約6500円程度掛かってしまうし、当然、ブレーキや消耗品を交換すると、その自転車の購入価格を簡単に修理代が上回ってしまうからである。品質は褒められないだろうが、買い替えにより、全てが刷新し、新しくなると云った点では、安全上望ましい事ってのも、また一方の事実なんである。
修理代がべらぼうな訳ではない。むしろ他の店よりは安価な設定だと思う。昔の自転車の価格がそれだけキチンとした正規の価格で流通していただけの話なんである。
だが、そのレンタル自転車は、使うユーザーがあくまでも「借り物」って認識が強いので、5~6000円程度で借りている筈のモノを、修理は自分持ちって契約だからと、はっきり言って直す価値を見出すのが難しい自転車を修理して欲しいと来る。
レンタルする乗り物は、基本的に新車であるか、有資格者の整備士が責任を持って修理修繕したモノを使用するべきだし、エコロジーを謳っていたりするのが曲者で、一番重要である「安全」ってのを、完全にないがしろにされてしまっているのである。エコロジーでも何でもないよそんなの。たんなるエゴである。マスコミも挙って取り上げたりするんだが、問題点をさっぱり見抜けないんだ。そんな整備不良の自転車に折角頑張って大学何かに入った高学歴の御子息に乗らせてだよ、大けがをしたり、死んでしまっては、身も蓋も無かろうよ。そんな事は、私が云うまでも無い、当たり前の事なんじゃ無いのかねぇ。本当にちゃんちゃらオカシイ話なんである。
現在の日本の自転車のシステムであると、残念ながら安全性を確保するという事は難しい。既存の日本のメーカーは自転車JIS規格に則って自転車製造をしたり、委託したりしているが、輸入車(自転車)は、生産国の安全基準がクリアしていれば、日本国内で販売しても良い(!)という事になっている。ママチャリはほぼ100%、世界中に於いて、唯一日本国でのみしか販売されていない。あまりに低性能過ぎて、日本以外では使いようが無いのだと云う。多くの日本人は、その意味が解らないだろう。そしてその生産国はほぼ100%が中国製である。全てではないにせよ、中国の安全基準のモノが、日本を席捲しているんだ。無責任な商社が、乱売目的の為に安全を無視して、大量に輸入を決め込み、インターネットなんかで垂れ流す。そんな体たらくなんであるよ。
我々新車の販売店も、多くのメーカーもね、多くの自転車を大量に展示して薄利多売といった販売手法は、考え直さなければいけない時代に差し掛かっていると思うんだ。
大量生産型に大量消費型、かつてこの国が行って来た負の遺産。古い体質の輪界が未だにコレを由とし、使い捨て型生産を続ける。仮にそれを企業が回収し、その部品等々を溶解し、鉄、その他リサイクル部品として再生し、新しい自転車を作りましたってんなら、それは褒められた事業となろう。ま、鉄なども粗悪なので、リサイクルはかなり難しいのだそうだがね。また出来たとしても、一流メーカーのそれよりも高額で売らなければ話にならないのだ。リサイクルには、莫大なコストが掛かるから。
そんな品質を無視し、見た目がよさそうだからと、厚顔無恥にもそのまま使っちゃう事をだ、決してエコロジーなどと宣ってはならない。自転車メーカーも資本があれば卸すシステムを変えないとね。…ある程度の法規制が必要だと思うけどなぁ。政府もあの体たらく・・・嗚呼、自転車の未来はいかばかりか?orz
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