2011年6月5日日曜日

忌野清志郎という男

忌野清志郎という男




俺達の青春時代、なんて書く事も気が引けるほどの、だが、確実にあった時代に、忌野清志郎率いるRCサクセションというバンドが、確かに存在した。ま、若き頃、ロックって奴ぁ、大体が反体制的セリフとエネルギーでもって、表現をしていたんでさ、いろんなイデオロギーが錯綜して、破壊的なものや、平和主義とかね、実に様々なバンドが存在し、思い思いに音をかき鳴らしていた時代って感じ。



初期のRCは、バリバリのフォークバンドでね、何しろ弟が熱狂的に聴いていたから、最初はヘンテコなバンドのうちの一つだなぁ、なんて、遠巻きに見ていた位の存在だったんだがね、清志郎は当時珍しかった化粧をしてね、ビジュアルと、あの例の、特徴のある声だ。若い頃は国立に住んでいたなんて事でね、多摩蘭坂なんてぇ、子供の頃からお馴染みの坂の名前が、歌詞に出て来たりしてさ。何しろ弟のラジカセからは、RCの曲が鳴り響いていたんだよ。だから殆どの曲を知っているって感じであったよね。



やはりガンガンのロックバンドってイメージだったRCサクセションの、初期のレコードをある時、聴いて、衝撃を受けたかな。高校時代なんて、スカシて洋楽のロックや、ジャズ、フュージョンなんてのを好んで聴いていてさ、あまり邦楽のロックや歌謡曲ってのを聴かなかったんだな。ただ、大学へ行ってね、憂歌団という浪速のブルースバンドにヤラレたね。完全にヤラレた。憂歌団は全部聴いたし、買ったし、国立のリバプールっていうライブハウス、俺達がバンドの真似事をしている様な酷い有様の、バンドなんて云えないヤツ等にも貸してくれる様なライブハウスでさ、憂歌団のライブなんかやっていたんだよ。勿論、大きなホールでもやっていて、いろいろ云ったけど、ヴォーカルの木村さんが、ストレートのバーボンをキューッってやりながら唄っていたシーンは未だに印象深いのだよ。若い頃に、オヤジっぽい所作だよな。格好イイオヤジになりたかったガキだったのだろう。そんな頃かな。初期のRCにグッと来たのはね。



上田正樹なんか、歌謡曲っぽくヒットした曲なんて全然聴かなかったのに、誰も知らない上田正樹と有山淳司とかのセッションユニットは好きで聴いていた。とっても素敵なブルースである。



以来、忌野清志郎って人が大好きなんだがね、今回は、この忌野清志郎って人、特にこのネーミングにスポットを当てて見ようと思うんだ。



以前、忌野清志郎が、テレビに出た時に、名前の由来ってのを尋ねられてさ、清志郎はシャイだから、あまり多くは語らないんだけど、子供の頃見ていたマイティーハーキュリーってアメリカのアニメ番組でね、日本語でナレーションが当ててあってさ、ハーキュリーの敵役の鉄仮面の登場の際、



「あの忌々しい鉄仮面が登場しました!」



って件が格好良かったんで・・・って云っていた事があって、そうなっているのだそうだが、本当は違うと感じているので、身勝手な持論を展開してみようと思う。



忌野清志郎って名前。今でこそ全国区であるが、当時の、世の中の反応は、当然の事ながら、宜しくは思われていませんでしたぜ。当然だがね。何しろ、今際の際にってヤツだ。死に際とか、臨終とかの意味でね忌み嫌うとか、人の死後、親近者が暫くの間家に慎みこもる事などを意味する字である。

因みに本名は栗原清志である。



この「忌」という字であるが、大辞泉によると・・・

1 (忌む)呪術的な信仰などから、不吉なものとして避ける。禁忌とする。

「葬式は友引の日を―・む」「宗教上、肉食を―・む」

嫌って、避ける。「革新を―・む」「退屈を―・む」



2 (斎む)身を清め、慎んでけがれを避ける。



嫌われがちな代表とも云える文字なのだがね、この忌ってヤツは実に奥が深いと思うんだ。人の死ってのを表すと云っても良い程の字である「忌」、さて、人が死ぬって事は、その人生をお仕舞いにするって事で、全ての人に平等に訪れる現実。この「忌」って字を分解すると、己の心なんだよね。そう。人間ってさ、生きて行くうちに、様々な社会のシガラミなんかでさ、所謂「ヨゴレ」な人間になって行く訳でさ、この忌まわしいなんて言葉ってのは、その言葉を使う人間の心の汚さってのを、表現しているんだと思うんだよ。葬式なんかでね、故人を偲ぶって事で、忌ってのは、なるほど妙に合点が行くではないか。己の汚れた心を浄化し、浄土へと手向ける儀式である葬式。身を清め、謹んでけがれを避ける、なんてある様に、人にとって大切な事柄を表しているんだよね。

この人間の生業を歌にロックに伝え、人々にメッセージを送る人間としての「忌」である。



次に「野」って字である。大辞泉によると・・・

1 自然のままの広い平らな地。のはら。「―に咲く花」「―にも山にも若葉が茂る」

2 広々とした田畑。のら。「朝早くから―に出て働く」

3 動植物を表す名詞の上に付いて、そのものが野生のものであることを表す。「―うさぎ」「―ばら」

4 人を表す名詞の上に付いて、粗野であるという意で卑しめる気持ちを表す。「―幇間(だいこ)」「―育ち」



どうだい?野ってのはさ、地球って事だよね。自然のままの広い平らな地って有るがね、ま、人類の多くが安住の地とすべく移動した「野」である。そのものが野性のモノってのも興味深いよね。



忌野ってのは、地球上の人類にメッセージを伝えに来たメッセンジャーである。なんて思っている。



清志郎、本名が清志だからね、清志郎ってのでは、あまりにも短絡的過ぎるよね。で、此処でもやはり持論を展開する事としよう。



清いってのはもう読んで字の如しである。大辞泉によると・・・



1 よごれ・にごり・くもりなどがなく美しい。「谷川の―・い流れ」「月が―・く澄み渡る」

2 心に不純なところがない。清廉潔白である。「―・い関係」「―・き一票」

3 態度がきっぱりしていさぎよい。思いきりがよい。「―・く別れる」

4 (「聖い」とも書く)おかしがたい雰囲気である。神聖である。「―・しこの夜」



と云った所で、やはり淀みの無い、なんてのがそうだね。そして「志」。



1 ある方向を目ざす気持ち。心に思い決めた目的や目標。

「―を遂げる」「事、―と異なる」「―を同じくする」「青雲の―を抱く」

心の持ち方。信念。志操。「―を高く保つ」

2 相手のためを思う気持ち。厚意。「―を無にする」「お―はありがたいが、辞退します」

3 謝意や好意などを表すために贈る金品。「ほんの―ですが、御笑納ください」

香典返しや法事の引き出物、僧への布施の包みの表に書く語。→寸志

4 心を集中すること。注意。

5 相手を慕う気持ち。愛情。

6 死者の追善供養。

そして「郎」という字である。



1 男子。特に、年若い男子。若者。

2 女性から夫、または情夫をさしていう語。郎君。

3 中国の官名。侍郎・尚書郎などの総称。

[接尾]数を表す語、またはそれに準じる語に付く。



1 一族あるいは一家の中で、男の子の生まれた順序に従い、男子の名前をつくる。「一―」「次―」

2 男女の別なく、子供の生まれた順序を示す語として用いる。



さて、清く正しく生まれ志に於いて、人の為を思う、郎であるから男だよね。ふむ。人が生きて行く上で必ず訪れる「死」という現象、そこへ到達するまでの過程を、如実に表した唯一無二の名前、それが…



忌野清志郎 という名前の持つ意味だと、甚だ勝手乍ら、解釈致しました。



この人の歌には、愛が溢れているんだ。



同じ時代に生きられた偶然に、感謝をしているぞ。



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